2012年12月9日日曜日

こえシネマ第2回レポート


日時:2012年10月20日(土)18:30〜20:30
会場:せんだいメディアテーク7F スタジオa
主催:映像サーベイヤーズ/せんだいメディアテーク

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今回の上映作品
「亘理鉄道の車窓から」  監督:高野裕之
「夕潮の帰り道」  監督:高野裕之
「測量技師たち」  監督:志子田勇

「測量技師たち メイキング映像」
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今回のテーマである「感情は誘われる ~音は映像を変える~」
これは、音というものが映像に与える影響という着眼で決めたものです。
テレビや映画、ニュースでも娯楽でも、あらゆる映像と音声は切り離せない関係であり、そして、音声が画面に映る情景にもたらす力というのは大きなものであると思います。
たとえば、荒廃した風景に悲しみを助長するような音楽をのせる。または、現地の生音をそのまま使う。
その他さまざまな選択肢があり、どれを選ぶのか。それは監督である高野と志子田にとっても頭を悩ませる部分でもありました。

今回の参加者のみなさんは、東京や神奈川など関東からいらした方や前回のこえシネマにも参加された方、上映作品の撮影地の出身の方など、本当にいろいろな方がいらっしゃいました。
「被災地の様子に違う音をのせることによって観やすくなった」 「生音を聞くことでその場の臨場感が伝わる」 「音をいっさい消してみるという試みもあるのではないか」
参加者のみなさんのこえを聞いて、はじめて気付かされたこともたくさんありました。
そして、今回上映した映像をこの先どういうふうに残していくのかということにも、音と映像の関係性というのは重要だということも大きな発見でした。
“撮影当時”と“鑑賞するいま”の間にある、時間的ギャップももちろんですが、その先に残すということを考えた時に、これから流れる時間というものがあり、そのなかでどのように映像と音声の関係という感覚が変化していくのか。それは映像だけではなく、あるいは一年半以上前の震災と、いまの私たちとの距離ということでもあるのかもしれません。
風化したというのか、馴染んだというのか。
表現はいろいろありますが、時間は確実に過ぎ、変わっていっていることはたくさんあります。
いろいろなスタンスの考えと経験を、それぞれの「こえ」で発声できる。
今回のこえシネマも貴重な場になったと思います。

村田怜央

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