2012年12月24日月曜日

こえシネマ第3回にご来場ありがとうございました。

2012年12月22日(土)17時~開催した第3回こえシネマ、無事終了しました。

今回は、約4時間の二部構成、せんだいメディアテーク1階オープンスクエアを会場に、大きなスクリーンを使っての上映と、過去2回とはだいぶ違った環境でしたが、いかがだったでしょうか。

土曜日で、定禅寺通りでは光のページェントの会期中だったこともあり、通りすがりに立ち寄って映像を見ていただいた方も、けっこういたようです。
たまたま居合わせた方には、今回の映像はどのように見えたかとても気になるところです。


私にとっては、大きなスクリーン、生演奏付きの上映、作り手側の話や観客からの感想など、全てにハッとする瞬間があった4時間でした。

2部全てに参加いただいたみなさま、その中の一部でも見ていただいたみなさま、年末のお忙しい中ご来場ありがとうございました。

また、ゲストとして参加していただいた、小森さん、瀬尾さん、森谷さん、彌榮さん、短い時間になってしまいましたが、作品について貴重なお話をありがとうございました。


年内のこえシネマは今回が最後です。
次回は、2013年3月2日(土)の開催を予定しています。

今年から始まったこえシネマ、来年もどうぞよろしくお願いします。

みなさま良いお年を!

(吉田)






2012年12月14日金曜日

★告知★ こえシネマ第3回「その日から当事者になった/感情は誘われるⅡ」




  2011年3 月11 日から、私たちは大きな災害の「当事者」として生活していくことを余儀なくされています。しかし、実際に体験していることは人によってそれぞれ違っており、感じていること・見ていることも様々なのではないでしょうか。

 第一部として、被災者の声を集めた作品を上映し、その背景や感想を語り合いながら、当事者たちの思い・言葉・映像に焦点をあてていきます。

 第二部は、前回に引き続き「映像と音」をテーマに、『測量技師たち』のサイレント上映や生演奏を付けた上映を行い、音の記憶や印象について語り合います。

今回はメディアテークの7階から1階のオープンスクエアに場所を移し、開催時間も倍の4時間です!

◆上映映像・スケジュール◆

 第一部テーマ「その日から当事者になった」 

17:00 ~ 19:20

ゲスト:小森はるかさん、瀬尾なつみさん

「あいだのことば」(60 分)
制作:小森はるか
撮影時期:2011 年4 月~ 2012 年2 月
撮影地:宮城県石巻市、岩手県陸前高田市
作品説明:3月末から小森はるか,瀬尾なつみは東北沿岸部に通い記録活動を続けている。これは石巻市と陸前高田市で私達が出会った3つのお家の会話の記録である。(わすれン!星空と路より転載)


「あなたは2011年3月11日をどのように過ごしましたか?」(20 分)
監督:高野裕之
撮影時期:2011 年5 ~ 6 月
撮影地:宮城県仙台市

作品説明:震災直後、私が住んでいる仙台市内陸部ではライフライン・燃料・食料等が無くなり、かつてない混乱に陥った。2011年5月と6月、記憶が曖昧になる前に仙台市内に住んでいる友人たちに3月11日の行動を詳細に語ってもらったインタビューです。


第二部テーマ「感情は誘われるⅡ」

 19:30 ~ 21:00

フィクション映画や震災記録に生演奏で音楽を付けて、映像の印象がどのように変化するかを体感し語り合います。


「測量技師たち FULL VOLUME Ver」(13分)
監督:志子田勇
撮影時期:2011 年7 月
撮影地:岩手県陸前高田市
キャスト:柳沢茂樹 古舘完治 松浦祐也 保田泰志 上原和彦 鈴木直登 

【あらすじ】
世界の位置を測り、新たな街を築くために。六人の測量技師たちは津波で流され、荒野となった街に足を踏み入れる。
平板測量とレベル測量を用い、ひとつひとつの世界の輪郭を紙面に書き写していく。時折、野球やサッカーに興じる彼ら労働はやがて、映画制作の所作へと変っていくのだった。
しかし、その日の晩、あってはならない制御する事のできない存在の到来に彼らは目を背けてしまう・・・。
ここから、一体何を描けばいいというのか?


全体の音構成は変えず、音のバランスをかなり上げ目に調整した特別バージョンです!



「ルート45 フルスロットル」
監督:高野裕之
撮影時期:2012年6月と11月
撮影地:国道45号線と沿岸部沿線(青森県、岩手県、宮城県)

作品説明:被災地沿岸部沿いの国道45号線+沿線を正面固定の車載カメラで撮影した映像作品です。八戸から仙台まで車で走るだけでも様々な風景がありました。こえシネマ第2回で上映した「ルート45」の釜石~仙台までの映像を追加した完全版です。


◆開催日・会場・お問合せ◆

2012 年12月22日[土]
17:00~21:00(予定)
せんだいメディアテーク 1 階オープンスクエア
参加無料( 申込不要) 直接会場へお越しください。


◆次回予告◆

「それぞれの距離に触れて」
日時:2013年3月2日(土)

 私たちは、映像を見て感想を語り合うことで、「震災後を生きる」個人の声を掘り起こし、記録に残していきたいと思っています。
 「被災地」と呼ばれながら、状況は様々な各地域、東北から遠く離れた場所、人と人の間や時間の経過など、今の私たちを取り巻くいろいろな形の「距離」について、映像をもとに2011年3月11日からの2年を振り返りながら、参加者同士で自由に話し合います。

2012年12月9日日曜日

こえシネマ第2回レポート


日時:2012年10月20日(土)18:30〜20:30
会場:せんだいメディアテーク7F スタジオa
主催:映像サーベイヤーズ/せんだいメディアテーク

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今回の上映作品
「亘理鉄道の車窓から」  監督:高野裕之
「夕潮の帰り道」  監督:高野裕之
「測量技師たち」  監督:志子田勇

「測量技師たち メイキング映像」
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今回のテーマである「感情は誘われる ~音は映像を変える~」
これは、音というものが映像に与える影響という着眼で決めたものです。
テレビや映画、ニュースでも娯楽でも、あらゆる映像と音声は切り離せない関係であり、そして、音声が画面に映る情景にもたらす力というのは大きなものであると思います。
たとえば、荒廃した風景に悲しみを助長するような音楽をのせる。または、現地の生音をそのまま使う。
その他さまざまな選択肢があり、どれを選ぶのか。それは監督である高野と志子田にとっても頭を悩ませる部分でもありました。

今回の参加者のみなさんは、東京や神奈川など関東からいらした方や前回のこえシネマにも参加された方、上映作品の撮影地の出身の方など、本当にいろいろな方がいらっしゃいました。
「被災地の様子に違う音をのせることによって観やすくなった」 「生音を聞くことでその場の臨場感が伝わる」 「音をいっさい消してみるという試みもあるのではないか」
参加者のみなさんのこえを聞いて、はじめて気付かされたこともたくさんありました。
そして、今回上映した映像をこの先どういうふうに残していくのかということにも、音と映像の関係性というのは重要だということも大きな発見でした。
“撮影当時”と“鑑賞するいま”の間にある、時間的ギャップももちろんですが、その先に残すということを考えた時に、これから流れる時間というものがあり、そのなかでどのように映像と音声の関係という感覚が変化していくのか。それは映像だけではなく、あるいは一年半以上前の震災と、いまの私たちとの距離ということでもあるのかもしれません。
風化したというのか、馴染んだというのか。
表現はいろいろありますが、時間は確実に過ぎ、変わっていっていることはたくさんあります。
いろいろなスタンスの考えと経験を、それぞれの「こえ」で発声できる。
今回のこえシネマも貴重な場になったと思います。

村田怜央